ゲームおける好子(強化子)を適当に思いつくもので列挙してみる

はじめに

先日、次のおもしろい記事を見つけました。

心理学界の異端児「行動分析学」から考えるゲームデザイン|だらねこ|note

とても面白い内容だったので、自分の今度作るゲームにも生かしていくべく、 ゲームを進める原動力ともなる好子について、適当に思いつくものを列挙してみることにしました。

入力と反応だけで楽しい

そもそも自分の入力で画面が変化するのが面白いので、それだけで好子になっている気もします。 キャラクターが歩いたりカーソルが移動したり。 初めてプログラミングしたゲームで自キャラが動いたときなどとても感動したと思いますが。 キャラクターを動かすだけで面白いものです。 でも、これだけでは流石にゲーム全体を引っ張っていくには弱いかもしれないですね。

キャラクターの移動の手触りの良さなどを追求していくというのは好子を大きくするということなのかもしれません。

感覚に訴えかけるもの

好子のなかには感覚に訴えかけるたぐいのものと、もう少しロジカルな好子があるように思います。 感覚的なものというのは例えば、気持ちの良いSEが鳴る、気持ちの良いUIアニメーション、気持ちの良いエフェクトが表示される、などなど。 こういうゲームロジックと直接関係しない感覚的な気持ちよさの部分、これもゲームの重要な要素の一つということになりそうです。 UIがもっさりしてたりエフェクトがダサかったり、こういったことは消去として働くことさえあるかもしれません。 神は細部に宿るといいますが、細かい手触りを追求するの、ゲームに置いては重要なことですね。

シナリオによる好子

先の気になるシナリオが展開されることは好子でしょう。

先の気になるとはどういうものでしょう。 単純に面白いものと、気になる謎があって先が気になるものとがあるような気がします。 あまり深く突っ込むとシナリオ制作の技法とかそっちになって好子とはズレてきてしまうのであまり深く言及はしませんが、謎を自分で考え解き明かそうとする欲求と謎が解き明かされる快感が好子になっていると思います。 謎があるだけで話として全然面白くないのは先を読もうという気にはあまりならないかもしれないです。 面白いだけでつないでいくのも難しいでしょう。 飽きが来ないように変化をつけていかなければならないわけで。 そういう事を考えてみるとベースとなる面白さとシナリオのプロット上の謎などの面白さなど色々組み合わせて「先が気になるシナリオ」を作っていくのが重要なのでしょうね。

個人的にとても好きなゲームシナリオは、ゴーストトリックというゲームです。 もう本当に素晴らしいシナリオで、引き込まれて一晩で徹夜でプレイしてしまいました。 先が気になりグイグイと引き込まれまさに好子の役割を果たすシナリオの好例です。

RPGの戦闘における好子

次に私が作ろうとしているゲームが戦闘中心のRPGなので、RPGの戦闘について考えてみます。 敵を倒すことそれじたいがまず好子でしょう。

敵を倒すというのは戦闘においては大目標とでも言うべきものですが、そういったものとは違う小目標というものも既存のゲームには散りばめられており、それらが好子として働いているのがわかります。

例えばRPGの属性じゃんけんなども小さな好子と言えそうです。 強敵に戦って勝つという大きな流れの好子だけでなく、ターン中の1行動1行動に弱点をついて大ダメージを与えてうまくできたという満足感を生む好子があります。 他にも敵の行動を読んで対処できたときとか、うまくやってやったという感覚が好子となっている気がします。 戦略性の高い戦闘だと、細かい好子を与えやすいような気がします。

あとは単純に派手なエフェクトのスキルを連打しているだけでもじつは楽しかったりします。 戦略性を捨てて攻撃を連打するだけのゲームであっても場合によっては楽しいのは、派手なエフェクトと数字が表示されるのがそれだけで楽しいというのがあるでしょう。

先の記事で述べられているソウルシリーズの敵の体力を減らす好子はRPGにおいても使えるでしょう。 ソウルシリーズなどの高難易度のゲームでも、挑戦するたびに少しずつ敵の体力を削れる量が増えるのはたとえ負けても好子となるわけですが、高難易度のゲームではどのようにして好子を与えていくかをきちんと設計する必要がありそうです。 自分の次に作るゲームでは、このメカニズムのために体力バーを表示しようと考えています。

変化と好子

変化というものがキーワードとなる好子も考えられます。

例えば、素晴らしいグラフィクスはそれだけでも素晴らしいですが、主人公のグラフィクスがシナリオが進んだり強化が進んだりすると変化するとか。 ソシャゲでキャラクターを進化させようと思う理由の一つにグラフィクスの変化が挙げられるとおもいます。

他にも、探索するゲームで同じような景観が続くと飽きてきますが、景観がガラリと変わるというのも好子ではないでしょうか。 新しいダンジョンが待っている、新しいフィールドが、階層が出迎えてくれるというのは好子になりそうです。

新しいスキルを手に入れるといった変化のタイミングも好子として働きそうです。 パラメータの成長も変化の一種でしょう。

BGMの変化なども好子でしょうね。

キャラクターボイス

キャラクターボイスなども好子の一つだったりするのではないでしょうか。 キャラクターがプレイヤーの入力に応じて反応を返してくれるというのは良い好子だと思います。

まあ、私はボイスがセリフを読み上げるのを待てなくてスキップしてしまう派なので、フルボイスよりも掛け声とかのボイスのほうが好きなので、必ずしもボイスがあれば良いというわけでもなさそうですが。

ペルソナ5ではキャラクターの行動を選ぶたびにボイスが入りました。 それどころか選択をキャンセルした場合も「違うな」「別の手があるはずだ」とボイスで喋ります。 素晴らしいですね。

好子の組み合わせ

強化子は組み合わせられます。

世界樹3のパッシブスキルに弱点をつくとダメージが跳ね上がり気持ちの良いSEが流れるものがありました。 これは気持ち良いSEと弱点をついたという気持ち良い出来事の、良い組み合わせ例。 えらく気持ちよかったのはそういうわけだったんだなあ。

敵を倒すとシナリオが進むというのは、敵を倒すという経験の好子とシナリオが進むという好子が組み合わさっているとも言えるかもしれません。

新しいダンジョンに入ると同時にBGMが変化するというのも景観の変化とBGMの変化とで好子を重ねていると言えそうです。

マリオでコインを集めるのが楽しいのは1UPという大目標の他に、そもそもコインを取る音が気持ち良い、取得したコインの枚数が増えるのが楽しい、といった好子が働いていそうです。 このように達成までが長い大きな好子に小さい好子を組み合わせるというのは効果的かもしれません。

他にも組み合わせ例というのは色々考えられそうです。

例えば強いスキルを使うと同時にキャラクターイラストが切り替わるというような。 SSQ2の変身する主人公がまさにそういうものでした。

他にも弱点をつくとエフェクトのグラフィクスが変わるとか、攻撃がクリティカルヒットしたときにエフェクトや効果音が変わるとか。 色々と思いつきますね。

好子の強さとギリギリとフロー理論

好子にも強さがある気がします。

感覚に訴えかける好子は知らずしらずのうちについやってしまいたくなりますね。 マリオのコインをつい集めているのはかなり強い好子のような気がします。

ロジックによる好子はそのインパクトが好子の強さになりそうです。 ザコ敵を倒すのと強大な敵を打ち倒すのでは好子の強さが違いますね。

そして、特にギリギリを乗り越えるようなものは強い好子になるような気がしています。 ギリギリで敵に勝てたという経験は強い好子でしょう。 弾幕シューティングとかのギリギリを避けていく感覚も好子なのかもしれません。

ここらへんのギリギリがゲームを盛り上げるというのは、かえるD氏が提唱しているゲームとフロー理論の関係も関わってきそうな気配がしますね。

なぜ作ったゲームが面白くならないのか?基礎にして奥義「フロー理論」|かえるD|note

フロー理論を組み合わせて「チャレンジしている状態」と「高度なスキルを使う状態」を重ねていくことで、その中での好子の強さを上げるというのはゲーム制作で役に立ちそうです。

おわりに

頭から考えたことをそのままだらだら書いていたらまとまりが無くなってきました。 このまま書き続けてもぐちゃぐちゃになりそうなので一旦ここらへんで区切りとします。

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